「なんか雰囲気変わった?」

「え?何が?」


最近よく話す同じクラスの良太が、昼休みに私の席の隣に座りながら突拍子もないことを言ってくる。


「いや、前谷も言ってたぞ?アイツ最近可愛くなったよなって。」

「何それ。何も出ないよ。」

「あ、別に告ってるわけじゃねーからな?俺どっちかっつーとミッチーの方がタイプだし。」

「それ本人に言ってあげて。」


生理痛で学校を休んでしまったミッチーに密告してやろうかとスマホを取り出す。


「馬鹿お前、ミッチーに言うなよ照れるだろ。」

「いいじゃん別に。ミッチー彼氏居ないんだから。」

「え?マジ?」


ミッチーに、良太が言っていた言葉をそのまま文章にしてまた会話をする。


「なんか加藤と付き合ってた時って言葉悪いけど普通ってゆーか、オーラ無いっていうか?でも最近雰囲気違うっつーか。」






ミッチー
え?良太?w
ミッチーも最近
良太良いと思ってたんだがw




数秒で返事がきたLINEの画面を話途中の良太の顔の前にニヤニヤしながら差し出す。



「え?マジ?ヤバ!お前マジで送ってるじゃん。てか、ヤバ。マジ?」


照れている良太を見て1秒後でも電波を通して想いを伝えられること、そしてお互いの気持ちが通じ合える関係に羨ましくなる。


「あ、それ。その顔かな?」