「シロちゃん……!!」
大きすぎた。
この時間に呼びかけるには近所迷惑すぎた。
でも足が震えて思うように動かせられないから、せめて声を出さなくちゃって。
「どう、して…っ」
どうしてあんな街にいたの。
帰って来てくれるならメッセージのひとつくらい送ってくれたっていい。
あの女性はシロちゃんとどういう関係があるのかなんて、聞かないから。
荷物そんなに持って行っちゃったら、シロちゃんがこのひまわり園に戻ってくる理由がまたなくなってしまう。
「みんなっ、シロちゃんに会いたがってるよ…!なっちゃんもシュウヤくんもっ、シロちゃんのこと大好きだからっ」
だから違うんだってば。
会いたがっているのは私で、シロちゃんのことが大好きなのも私。
最低なお姉ちゃんだよね。
妹や弟たちの名前を使ってまで引き留めようとしてるだなんて。