母さんって、どういうこと……?
え、お母さん……?
さっきの人は千石くんのお母さんなの……?
どうしようぜんぜん状況を把握できない…。
知らないのって、もしかして私だけ…?
「……………」
ということは、シロちゃんはそれを知ってて一緒にいたってこと…?
どうして?
んんっと……、
ますます分からなくなってくる…。
それにシロちゃん、向こうに行かなくていいの…?
あの綺麗な女性、とっくに倉庫を出ていっちゃったよ。
「千石くん、だっけ」
シロちゃんだった。
沈黙を破って千石くんに声をかけ、拘束されていた縄を外したのは。
「ケガ、大丈夫?とりあえずひまわり園に来てもいいし、」
「いや…、今日は家に帰りたい。父さんと話したいことがたくさんあるから」
「…そっか」
じゃあ俺帰るけど、と言って立ち上がる千石くん。