「真澄くん、戻ってきなって言ってるだけなんだよ俺は。至ってシンプルな話だ。この場を解決させて、この子を助けたいならそれこそyesだろ?」



結局は俺も両腕を縛られて、1人が2人に増えただけだった。

財布を取られて金を奪われて、その金で何か買ってきては自由に飲み食いする東。


たぶんこいつは俺がyesを言うまで離さないつもりだ。



「まーすみ」



どうせ、汐華さんだけじゃないんだろう。

俺が最初ひまわり園を狙っていたように、こいつもいずれ同じ目的を置くことになるんだ。


そうなると俺のもうひとつの大切な家族たちを傷つけられることになる。



「ダメだよ千石くんっ、千石くんは変わった……!!ううん、もとに戻ったの…!もとの千石くんにまた戻れたんだよ…!」



ハッと、ギリギリで手繰り寄せられる。


俺はどこまでも優柔不断なくせに何も成し遂げられないような男だから。

結局、いつもいつもこうして彼女に救われている。