『私は…、ひまわり園の子供たちに優しくしてくれた、そんな千石くんが本物だと思ってるよ』


『別れない…から。だから普通に戻って、千石くん』


『帰ろう、千石くん。ひまわり園に帰るよ』



この人だけは、違った。

この人だけはと思っていた特別が、この人を通して俺の周りで広がっていったんだ。



『千石さんも……家族、なので』



俺がずっと欲しかったものをくれた。



「うっそ、本当に俺たちと対立する気?真澄くん、まだ選択の余地はあんだよ」


「いるかよ。俺はもうこんなところ、戻りたくもない」



手作りの弁当がどんなに嬉しくて美味しいか、知らないだろ。

ケチャップとかソースが付いたふにゃっとしたレタスはあんま好きじゃないし、彩り要素で入れただけなんだろうなってブロッコリーとかトマトも嫌い。


でも、まあいいかって思えるんだよ。