「…よく分からない箱を……運んだくらいです」


「それだけか」


「はい、」


「絶対か?」


「ぜったい」


「…誓えるな」


「…誓える。ぼくは…、僕は……、」



震えた僕に、ほんの少しだけ押さえ込む力が緩められた。

それだけで彼の優しさとまっすぐさが見えて、僕もあなたみたいに力があれば良かったんだろうと嘆きたくもなる。




「僕はただ…っ、好きな子の父親を探し出したかっただけだ……ッ!!」




みんな、静まる。

ちょうどなタイミングで佳祐兄ちゃんも帰って来たようで、いちばん最初は彼と目が合った。


反抗期なんかじゃないし、家出とかでもない。


僕だってひまわり園が好きだ、大好きだ。

ここしか帰る場所がないような人間だから、寂しかったよ。