佳祐兄ちゃんも車で探しに行っているようで、園長先生や保母さんたちは学校に確認したりと走り回っている。
ちなみに僕の同行人は施設の近くに車を停めて、そこに待機。
なにか情報を掴んだらすぐに車を走らせると、いつでも準備はできていた。
「たとえばどこかに連れられてるとしても、場所が分からないからさ…」
「絃姉の旦那さんなら特定できるんじゃないの」
「…ちょっと今、違うほうに気にかかるところがあるとか言って、そっちに回ってる」
違うほう……?
気にはなったが、彼に任せておけば大丈夫という安心もあった。
それほど力を持っているのが絃姉の旦那だ。
「由季葉、すこし前に私のところに来たの」
それが関係していることは確かだろうと、絃姉は顎に手を当てながら神妙な面持ちをさせた。