「こんな力、意味ないのに……」
思うように使えなくなった力なんて無意味だ。

持っていても仕方ない。
それなのに離れてくれないのはどうしてだろう。

やっぱり、私が処女だから?
そう考えると堂々巡りの始まりだった。

また大翔をホテルに誘って失敗するを繰り返すことになるかもしれない。
「もう……いやだ……」

魔法なんて使えなくてよかった。
30歳になる前にさっさと誰かと付き合って処女を捨てていればよかった。

美加は部屋の隅でうずくまってしまったのだった。