これは間違いなくデートの誘いだ。
胸がドキドキと早くなっていくのを感じる。

「ど、どうしよう稲尾さんと映画だなんて……」

想像しただけで今から緊張状態になってしまうが、映画なら周囲は暗いし気兼ねなく楽しく事ができるかもしれない。

大翔も、それを見越して映画に誘ってくれているのかも。
そう思うと幾分か、緊張が解けてきた。

その場で深呼吸をしてふるえる指で《美加;もちろんです!》と、送信したのだった。