だけどそこの最奥だ。
そこにいくまでずっとこのままなのかと思うと顔から火が出てきてしまう。

「だ、大丈夫ですから、下ろしてください」
さっきから行き交う社員たちの視線を感じる。

ここまで注目されたのは入社して初めての経験だった。

あの3人衆がどんな顔で自分を見ているだろうかと考えると、少しだけ背筋も寒くなった。

だけど大翔は美加をおろそうとはしなかった。
「ダメだ。無理をしたら余計に悪化するかもしれない」