でも、これで食事をして終わりじゃない。
今回の最大の難関、ラブハプニング6が待ち受けているんだから。

気合を入れ直して椅子に座り直すと、女性店員が水とおしぼりを持ってやってきた。
「失礼します」

と、声をかけて大翔の前にグラスを置く。

続けて美加の前にグラスを移動させ……『落とせ』強く念じた瞬間、グラスが店員の手から離れて美加のブラウスに水がかかっていた。

「きゃっ」
小さく悲鳴を上げて立ち上がったのは、水の冷たさに驚いたからだった。