そんな役回りというかなんというか。

仕方ないことだし、帰っても誰かが自分を待っているわけでもないのだし、まぁいいかと思って引き受けてしまう。

こうやってどんどん出会いや婚期を逃してるのかなぁと思わなくもないけれど。
それから1時間ほど残業してようやく一区切りついた美加はやっと仕事から開放された。

「あぁ~、今日は疲れた」
いつもの倍くらい仕事をした気分だ。

こんなときはゆっくりお風呂にはいって恋愛ドラマを見てその世界にどっぷり浸かるに限る。
そう思いながら更衣室で着替えをしてエレベーターに乗ったときだった。

「あ、羽川さん」