「ありがとう、ございます」
そう一言言って二人に笑った。
気になるって言われてお礼を言うのもあれなんだけど……。
「ほんと、翔ちゃんは変わってる」
チュッ!
「!!!!」
「要、狡い。俺も…」
チュッ!!!
「なっ!!!!」
左の頬に新堂先輩の唇が触れたと思ったら、田中先輩の唇が右頬に触れた。
「な、な、なっ!!
か、か、軽、軽々しく…キ、キ、キッ…………」
「キ…何?」
「なっ!!」
ニヤッと笑う新堂先輩。それに続けと田中先輩もニヤッと笑った。
「知りたいな、キ…何なのか?」
「うっ!!」
この二人を見直したって思ったの撤回。
これは、悪ふざけに決まってる。
私の反応見て面白がってるんだ!!
「もう、いい加減にして下さいっ!!!」
ニヤニヤと笑う二人を置いて私は、その場から走るように立ち去った。