何が起きたか一瞬理解出来なかった。

ただ、分かってるのは強い力で抱きしめられてるって事。







それも、新堂先輩に…………。







「…要」




「勝手だって分かってる。
でも、翔ちゃんは………」







ギュッと再び身体が強い力で抱き締められた。





「……譲れない、絶対に………」






多分、新堂先輩は走ってきたのかな?って思った。

乱れた吐息が耳元で響いて、身体が熱かった。




「んーー。でも、俺も譲れないわ」



そう言いながらも田中先輩も、あたしを新堂先輩から離そうと手を引いてくる。



これ………

今日見た、夢と似たような感じがする。





「…あのっ!!!」






二人が睨みあってる中、私は口を開いた。

譲る、譲らないの話以前に、私には何にも分からない。












「……二人ってもしかしてですけど……
私が好きなんですか?」