「ごめんね、少しだけ翔ちゃんと二人にしてくれる?」
ナイス、紗良っ!!
心の中でそう叫びながら、鳥海先輩がやっと席を外してくれた。
「それでね……」
とりあえず今日までの出来事をやっと紗良に話すことが出来た。
少し自分の中の重みが取れた時だった。
「翔ちゃん、私はどっちもオススメはしないよ?」
「うん?どういう事!?」
「きっとどっちを好きになっても…翔ちゃんは傷つくよ?」
紗良さーーーーーん!!?
それってもしかしてだけど…私がどっちかに惚れても実らぬ恋って言いたいのかな?
なら………
「大丈夫だよ!!私は、どっちも好きじゃないから」
そう言って笑顔で紗良に答えるも紗良の顔は、曇ったままだった。
紗良の傷つくよの意味を知るのは、少し先の事だった。
-