な、な、なんて事を言い出すの!!?


ジロッと私の顔を睨んでくる女の人に対して変な冷や汗が流れ落ちる。

それなのに新堂先輩は、何も気にしないかのように席に向かってしまった。



「貴女、名前は?」

「えっ!!?私ですか!?」

「この場に誰が居るのよっ!!」


「っ!!」


確かにこの場には、二人しか居ないのだから私の事になる。

でも、動揺してるせいかその辺まで頭が回らない。





「手嶋…翔子です」




蚊の鳴くような小さな声で呟いた。


すると再び私をジロッ睨み"覚えておくわ、貴女の名前"と言いながらヒールをコツコツと鳴らしながらその場から立ち去った。