「ど、どちら様ですか?」


他人のフリをしてその場を乗り越えようとするのに、なのに…。


「クスッ。翔ちゃんの冗談面白いね」


そう言いながら、私の手に持っていた皿を新堂先輩が取り上げる。


ちょ、ちょっと!!


そう心の中で叫ぶも新堂先輩には、届かない。


ジロッと私の顔を睨む綺麗な女の人。



「要、そちらの方はどちら様?」


「今、凄く夢中な女性かな?」




「「はぁ!!!?」」



私の声と綺麗な女の人の声がハモった。