そっと、その場から離れようとクルッと身体を反対側に向けた。


見つからないように・・・。





「翔ちゃん、みーつけた!!」



ビクッと身体が硬直してしまう。
逃げようと思ったのにすぐに見つかるなんて。


ゆっくりと振り向けば、周りに女子を囲みながらこっちに向かってくる。




「あの、今から部活なんで後にしてくれますか?」


関わらないように言ったつもりなのに、目の前の新堂さんは、ニコッと笑った。


「うん、ならここで見学してるね」


「はぁ!?えっ!?」


まさか、そんな風に返ってくると思ってもいなかった。


「頑張ってね、部活」

「‥‥」


何って言い返して良いのか正直わからない。


一言返せば、意外な言葉で返ってきそうな予感がする。


だから、相手にせずそのままにしていた。