家に帰っても頭に残ってる。
音楽をすることは確かに楽しい。でも、突っかかりがあるのは事実だった。それをなぜあいつらが……。俺の居場所って…。悶々として作業が手につかない。
あいつらの音はどんな感じなんだろう。
どんな表現をするんだろう。
あの中でやっていけるか?
曲の好みや考えが合わなかったら?
また何か言われたら?
……正体が、バレたら?
好奇心と恐怖心が葛藤する。怖い。急に学校行って変な目で見られたらどうしよう。入学式以降ほんの数回しか行っていないのに。誰だって思われる。ヒソヒソ何か言われるんじゃないか?何ならいっそ……―
「俺らがその音の居場所をつくりたい。」
でも、もしチャンスがあるのならば。
少しでも音が合わさる快感を味わうことができるのならば……。
ー『もしもし如月です。』
そしてもう一つ。
「麗華ねぇ、ちょっとお願いがある。」
「?どした?」