「教科書借りるねえっ」

笑顔で私の返事も待たず持ち去ってしまう柚子。


私は蓮見沙羅。

同じクラスの双子の妹の柚子は、我儘ばかり。

柚子に貸したら私が忘れ物したことになってしまう、なんて柚子にはどうでもいいんだろうな。


そして借りたまま返しにこない。

授業の後、柚子のところまで返してもらいにいかないの行けない。


予鈴が鳴り、授業が始める。

私が忘れ物したことを先生に伝えると先生に怒られた。


その様子を見てクスクス笑うクラスメイト。


私の居場所は学校にも、家にもない。