そんなわけで私は話題に入れないわけで、傍で聞いているしかない。

そんな時はどうしても心の声を見てしまう。

〔私、野口タイプじゃないんだよな…〕

「私そうでもないかなー。性格はいいらしいけど、完全にタイプ外」

心の声が浮かんで1秒も経たないうちに礼奈が言った。

「あー、礼奈はもっと悪い系の方が好きだもんね、そりゃ入らんわ」

こういうところがいい。

他の人なら隠して同意しそうなところをしっかり言う。

時にそれがトラブルを呼ぶこともあるが、私は心地よかった。

「あ、やばい!あと1分!」

望由の声で一気に現実に戻って、私たちは廊下をダッシュした。