~啓斗side.~

「古賀たち、喧嘩でもしたのかね」

「さあ」

俺は同じ方向を見た。

つい昨日まで4人で一緒にいたのに、今日は高宮と、他の三人。

3人の心にはこれといって原因になりそうなことは浮かんでいなかった。

それどころか。

〔今日の結良どうしたんだろう〕

〔結良、大丈夫かな…〕

高宮の心は読めない。

何も考えていないのか、閉ざしてしまったのか。

「遊びに行くって話、流れるかな」

俺は彰の言葉には答えず、高宮を見つめた。

彼女は3人の方をただ、眺めている。

一見、いつもの無表情だが、心は少し寂しそうに見えた。

「お前さ、ほんとに高宮好きだよね」