私はできるだけ足音を立てないように教室から離れた。

学校を出て少し行ったところでスマホを開く。

『ごめん、用事思い出したから先帰るね』

あっという間に3人の既読がついて、可愛いスタンプが送られてきた。

さっきの会話なんてなかったみたいに。

私は3人に会わないように、いつもより早く足を動かした。

家の自室に着くと、私は壁にもたれかかって座り込んだ。

さっきの3人の言葉を思い出す。

愛想笑いがばれていたこと、彼女たちがあのように思っていたことには驚いたものの、それ以外の感情は浮かばなかった。

普通、こういう時、悲しむものなんだろうけど私は悲しいと思えなかった。

私は顔を伏せてしばらく動けなかった。