「ねぇ先生……、慣れって怖いね」

「いきなり何」


慣れって、不思議で、怖い。

あんなヘンタイ先生にだって「触られたい」と。

そう欲求する恋心が、いつの間にか芽生えるのだから。


何度となく「おはよう」と「おやすみ」を交わし、何度となく研究のため体を調べられていくと。

私の心は、まるでカサブタがとれた時みたいに。

ポロッと、恋の奈落へ一直線。


「まさか、こんなヘンタイ先生に……屈辱です」

「俺に聞こえる声量で言ってるのは、わざとなのかな?」


時計は夜の十一時。
こっちは眠くなる時間だというのに、先生はスッキリした顔。

これから、また研究するんだろうな。