『な……、なにするんですか、このヘンタイ!』


大人の男の人に、思春期の女の子が一枚ずつ服を脱がされるって。

それは立派な、ヘンタイのすることだって気づいて。

その時から、私の中で「架千先生はヘンタイ」という認識に落ち着いた。


――話し終わると「そんな事あったね~」と先生。

悪びれる様子もなく、カップに口をつけコーヒーを嗜んだ。

ごくんっ


「だって仕方ないじゃん。〝落ちぶれ天才研究者〟の異名を持つ俺が、長年研究対象としてきた半獣人に会えたんだよ? 興奮するなって言う方が無理だって~」

「そういうのを〝開き直り〟というんじゃ……」


むすっと頬を膨らませた私に、先生は「ごめんって」と頭を撫でた。いや、撫でようとして失敗に終わった。

尖った二本の耳の間を往復しようにも、狭すぎて。先生は、一度だけぽんと手を乗せた後、すぐに離れた。

……先生の手、もっと小さかったらいいのに。


私はいつもツンケンしちゃうけど、本当は私ね。

先生の手に……触れられたかったりする。