「先生は何も言わなかったけどさ。今日から、しばらく帰ってこないんじゃないの?」


お祝いだ何だって言ってさ。色んな人とはめ外してさ。

イケメンだし、女性と関係を持つとか……やっぱり、あるのかな。先生は、私の好きな人なのに……。


「……って、ダメダメ。せっかくの先生の門出なんだから。私が祝ってあげなくて、どうするのっ」


頬をパンパンと叩いて気合を入れる。

すると、先生の「自称:研究室」からカシャンと音が聞こえた。


「今の音……何かが落ちた音だよね?」


普段は入らないようにしてるけど、もし大事なものだったらいけないし……。

意を決して、扉をノックする。

コンコンっ


「失礼します……、わぁ」


ドアを開けると、理科室のような光景が広がる。

小さな部屋の中に、ありとあらゆる実験道具が並んでいた。