「思えば、屈辱的な日々だった……」
まるでオーダーメイドで服を作るみたいに。
ありとあらゆる箇所をメジャーで測られて、「ここはどうなってるの?」と、あられもない箇所をつつかれて。
「完っ全に、女の子扱いされてなかった……」
先生が論文を発表して人気者になる前に、メロメロにさせようと思ってたのに。
論文は間に合っても、私の恋は、きっと間に合わない。
先生と両思いになるには、全然時間が足りないよ。
「焦るのは良くないって分かってるんだけどね……。でも、仕方ないよ。先生カッコイイんだもん」
先生に会った友達が「超カッコイイ保健室の先生が、ねねちゃんを助けに行ってくれたんだよー!」と、何度も話を聞かせてくれた。
ほらね。先生、やっぱモテるじゃん。
それなのに論文で有名になったら……。一生、手が届かないよ。
「翠々香、俺のシャツが落ちてるよー」
「え、あ」