それから、二週間が過ぎようとしていた。
まだ三月といえど、気温は、もうすっかり春。
家の近くに咲く桜を見ながら、先生と洗濯物を取り込んでいた。
「来週から四月ですね。高校二年生になるんですよ、私」
「無事に進級できそう?」
「あ、当たり前じゃないですか!」
発情期のことがあったけど、
顔が赤い朝はアイスを食べていく――
というルーティンにすると、発情することはスッカリなくなった。
だから問題なく学校へ行けるし、皆と楽しく過ごせている。
私を保健室に呼んだ男子二人は、その時の記憶がないらしい。
私の友達が「謝りなさいよー!」と言ってくれて……。男子からすると身に覚えのない事なのに「ごめんなさい」と、きちんと謝ってくれた。
今のところ、私の日常が崩れることはない。
先生は相変わらず研究に没頭してるし、前よりもクマがひどくなった。
もう電卓を叩く音はしないけど、代わりに「自称:研究室」にこもっては何時間も出てこない日が続いた。
きっと、提出する論文を仕上げてるんだろうな。私のことを研究しつくしたもんね。