「……ずるい」


あぁ、やっぱりさ。
私って、どんな先生にもときめいちゃう。そういう運命なんだ。

頼りない姿も、男っぽい顔も、研究に没頭する真剣な目も――どうしたって、それ以上の好きを見つけることが出来ない。

もう架千先生以外、誰も好きになれないよ。


「私の負けですよ、先生」

「確かに。翠々香の絵の才能は壊滅的だね……」


卵の上に絵を描きながら、じっくり眺めて、そして笑い合う。

そんな中、二人で食べるご飯は……言葉にできないほど美味しかった。


「先生、口の横についてますよ?」

「そういう翠々香もね」

「えっ」


鏡を見ると……ケチャップ色のご飯と、赤い顔の私。

これもきっと「恋の方」だと。

余ったオムライスを先生と取り合いながら、楽しいご飯の時間を過ごした。



✲*゚