だけど……。

呼んだところで、どうにもならない。

だって今頃、先生はお昼寝してるもん。

学校にくるわけないよ。


だけど口を割って、先生の名前が出て来た。

好きな人の名前が出て来た。

こんな時だというのに、実感してしまう。

もう私は、どうしようもなくヘンタイ先生のことが好きなんだって――


「翠々香!!」

「っ!」


え、今……先生の声が聞こえた?

ここにいないはずの、架千先生の声が――


だけど、それは決して聞き間違いではなかった。

保健室に入る音がしたかと思えば、乱暴にカーテンが開く。

そこに立っていたのは――