「ん~っ、……!」


その時、鏡に写った自分の姿を見た。

朝よりも顔は真っ赤になっていて、目は潤んでいる。

男子たちの言うように、まるで「キツイ」と言ってるような自分の表情に――めまいがした。

なに、これ……どういうことなの……っ。

こんなの、私じゃない!


「や、やめ……!」


もっている力を全て使って、必死で暴れて。

その結果、ふさがれている口は自由になった。

今しかない。

助けを呼ぶなら、今だ――!


「せ、んせ……、助けて、架千先生ぇ!!」


この学校に「先生」はたくさんいる。

だけど私のいう「先生」は、たった一人。

あの人だけなの――