「……なに、男子たち」
「よくわからないけど……。なんか、変だったよね」


私がいなくなった後。

男子を不気味がった友達が、ヒソヒソ声で話す。


「ねねちゃん、大丈夫かな」

「やっぱり私たち、ついて行った方が……」


そして私を心配してくれた、

その時だった。


「今の話、詳しく聞かせてくれる?」


窓からひょっこり顔を出す、見知らぬ人物。

一階にある教室を、外からのぞいている。

本来なら「きゃあ!」と悲鳴をあげるところを。

その人物が白衣を着ている事から「新しい保健室の先生」かと勘違いした二人。


「あ、先生! ちょうどいいところに」
「保健室に、急いでください。早く――っ」


血相を変えた二人を見て、その人は柔らかく笑った。


「大丈夫だよ。俺が何とかするから心配しないで」


そして颯爽と去って行ったこの人物を見て、友達はポッと顔を赤めるのだけど。

「目の下のクマがやばかった」と。声には出さないけど、友達同士、同じことを思うのだった。



✲*゚