団員A「幸い、一命は取り留めましたが、重症で…」

さくら「なんてこと…犯人に目星はついているのですか?」

団員A「いえ…、ただ、城内での犯行でしたので…」


団員はそういってさくら姫に近づくと、

ボソッ

___”ロスマン帝国 関係者の仕業、かと考えております”


声をひそめてそう言いました。


さくら「……ッ」

そのとき、真っ先にさくら姫の頭に浮かんだのは、
なぜか、あの冷たい目をしたソラ王子の姿でした。


さくら「まさか…ね…」


攻撃を受けた団員は、
腹を剣で切り付けられ、重症を負ったとのこと。


犯人がはっきりしないうちは、
あまり外にも出歩けず、
緊張感の漂う日々が続きました。

_____
________……


それから、しばらくの月日が経ちましたが、
あれからは敵の襲撃もなく、
張りつめていた空気も徐々に和らいでいきました。


……______


そんなある日のこと。

さくら「マリー、久々に外を散歩したいわ。」

さくら姫は、城内の散歩にでかけることにしました。
まだ、気は抜けない状況ではありましたが、
ときには休息も必要、と考えての行動でした。

庭にでると、
沢山の花が咲いていました。

さくら「わぁ……なんてきれい…。」

嫌なことも忘れられそうなくらい、きれいな花たちに、
思わず笑顔になるさくら姫。


そして、両手を広げて、駆け出しました。

マリー「あ…!姫様、あまり遠くへいかないでくださいよ…!」

さくら「庭の中ですもの、大丈夫よ。」


慌てるマリーをおいて、
さくら姫はどんどん走ります。


しばらく走ると、
庭の片隅に、小さな白いガゼボが見えてきました。


さくら「あんなところに、ガゼボがあったのね。知らなかったわ」

するとその時、

___ゾクッ

さくら姫は、そのガゼボの奥に、
何か嫌な空気を感じました。

さくら「なにかしら……」


気になったさくら姫は、
そのガゼボに近づいていきました。