「年越しのこんな夜中に普通コンビニ来るか?めっちゃ忙しいじゃん。」
陸斗は言う。

「そうだね。今日は暇なのかなと思って来たから、調子くるうよ。」

2人は客足が減り、話す。

「夏鈴とでよかったわ。新人さんとかとペアだったら、やばかったな。夏鈴のレジ打ち早すぎだから。」

「陸斗も早いじゃん。それに陸斗に教えてもらったんだし。」

「でも俺がバイト復帰した頃にはもう上手だったよ。」

「そうかな。あの頃はまだまだだったよ。陸斗のレジ打ち見て学んだもん。」

「俺、愛想ないからさ、レジ打ちとか無心でやってんのよ。」

「たしかに、愛想はふりまかないよね。でもその顔で大抵のことは許されてる。イケメンって得だよねー。」

「じゃあ夏鈴も俺の顔で許しちゃってるってこと?笑」

「うん。例えばだけど、陸斗がお風呂洗っておくってって言ったのに、してない時とかあるじゃん。その時、私はガッカリするわけよ。でも陸斗がごめんねって笑顔で言ったら、かっこいいしなんか許しちゃう。」

「そうか。じゃあこの顔で得してんだな。」

「多分私だけじゃないよ。みんな思ってる。」

「俺は別に夏鈴だけでいいけどな。」

「あっあと1分で年越しだよー。」

「3、2、1ハッピーニューイヤー!」
2人は同時に言う。

「陸斗、今年もよろしくね。」

「こちらこそ。よろしく。」

客が来たので、話をやめ、朝まで働いた。