翔太の家は1DKの一人暮らし用マンションだ。

「まじ汚いからごめんよー。昨日徹夜したから、部屋やべーわ。ひとまず来客用の布団1枚あるからひくな。」

翔太があわてて布団をひき、夏鈴を寝かした。
夏鈴は全く起きる様子はない。

「先輩。すみません。ありがとうございます。」
由衣は申し訳なさそうに言った。由衣も夏鈴の前では冷静にしていたが、実際はかなり動揺しており、先輩方がいてくれて良かったと思っていた。

「この子、清心大学なのかな?名前は?」
陸斗が由衣に聞いた。

「はい。清心大学文学部の1回生、山下夏鈴です。私と夏鈴は幼なじみで、よく一緒に授業とか受けてます。」

「そっかー。怖がらせちまって、悪かったな。翔太が由衣ちゃんに話しかけてる時から少し震えてたよな。」
陸斗が話した。

「えっまじ。俺全然気づかなかったー。やべー、まじで申し訳ないことしたな。」
翔太が少し落ち込んで呟く。

「翔太さ、由衣ちゃんしか見えてなかったもんよ。」

「はー。うるせーな。今はそれどころじゃねえだろーよ。」
翔太は顔を赤めて答えた。

ひとまず目が覚めるまで、待とうということになった。

「俺、なんかご飯買ってくるわ。何がいい?」
陸斗がそう言ってコンビニまで出かけた。