翔太は由衣に笑ってもらいたく、一生懸命話しかけた。由衣も翔太との会話は楽しかったが、夏鈴が気になり、この場から立ち去ろうと、夏鈴の手を引いた。
その時、夏鈴は足が震えて、前かがみに倒れかけた。

「うわ。あぶね。お前大丈夫か?」
とっさに陸斗が抱えた。
その瞬間、、、、。



「きゃーーーーーーーーーーーーーーー。
やめてやめて。離して。」

震えた夏鈴が叫んだ。

陸斗は驚いて、すぐに夏鈴をベンチに座らせ、離れた。

「夏鈴ー。聞こえる?大丈夫だから。何も怖くないよ。私がいるから。ね。落ち着いて、深呼吸しよ。
スーハースーハー。」

由衣の声とともに落ち着いてきた夏鈴はやがて意識を手放した。