「今日は店長さんと夜勤だから、大丈夫。店長さん女の人でいつも優しいから。」

絶対に休もうとしない夏鈴をとめることはできないと由衣は思った。なので、
「分かった。だけど、なにかあったら、連絡して。やっぱりなにかなくても空いてる時間に連絡して。しんどくなったら早退して、うちに来てね。」
と伝えた。
由衣の優しさに心が暖かくなった。

「由衣ちゃん、こんにちは。テストお疲れ。」
由衣に話しかけたのはバトミントンサークルの3回生で建築学部の大野翔太だ。

「お久しぶりです。テストお疲れ様でした。」
由衣は笑顔で答えた。

「由衣ちゃんテストどうだった?俺はやばいなー笑」

「翔太が自分でやばいって言ったら赤点確定だな。」と翔太の隣にいた陸斗が笑って話した。翔太と陸斗は同じ学部でいつも一緒にいる仲良しだ。

「由衣ちゃん明日のサークル来る?」

「行けたらいこうと思ってます。」
由衣は夏鈴をちらっと見て答えた。由衣は夏鈴の状態によっては行くのを辞めようと思っている。
夏鈴は2人の声で少し震えた。その震えに気づいた由衣が手を握った。