「おい、リアナ!?」




 オウキくんの声を聞きながら、変装を忘れた、と気づいて車のなかに置いたカバンからサングラスを取り出す。

 それを顔にかけながら、奥にまがっていくお姉さんの姿を急いで追いかけた。




「お姉さんっ」


「きゃっ、なに!?」




 うしろからお姉さんの腕をつかむと、お姉さんはおどろいてふり向く。

 きれいなその顔にずいっと近づいて、私はサングラス越しにお姉さんを見つめた。




「ナイルさんはぶじですか!?」


「はっ、ナイルくん…?」


「最近連絡取ってませんかっ?」




 ずずいと詰め寄って聞くと、お姉さんは急に顔をしかめて私の手をふり払う。




「知るわけないでしょっ、あたしブロックされてるんだから!」


「え…?」