リーゼロッテは驚いたように目を瞬かせる。

「ラフォン領の民がより豊かに暮らせるならば、ダメと言う理由がない」

 それを聞いたリーゼロッテは花が綻ぶような、満面の笑みを浮かべた。

「旦那様、ありがとうございます」
「……っ、これくらい構わない」

 テオドールは咄嗟に目を逸らす。
 頬がほんのり赤くなったのは、リーゼロッテの赤面症が移ったからだ。