誰も寄せつけない君に、どうしても近づきたいと思った。
*
「杏ちゃん、お昼の放送行ってくるね」
「うん、わかった。頑張ってねー」
ひらひらと手を振ると、翠は可愛く笑って振り返してきた。
週に一度、私の友達の翠は放送委員の仕事があるから、私は一人屋上の前でお昼を食べている。
翠は歩いているだけで周りの男子が振り返るような美少女で、天パだというふわふわの髪もまるで童話のプリンセスのようだ。
それに比べて私は顔は普通だし、勉強も普通、運動も普通となんの取り柄もないいたって普通の女子高校生。
高校生になるからとばっさりボブにした髪の毛は、裏で男子からこけしなんて呼ばれている。
「んー?ねえねえ、君一人?」
スマホを見ていた顔を上げると、知らない男子生徒二人組と目が合った。
「あれ、なんだ。別に普通じゃん」
「あれーおっかしいな。てっきり美人かと…」
面と向かって「普通」と言われ、言われ慣れているからってさすがに軽く傷つく。
「…おい」
「あ?」
「お、おい、やべぇって。天馬だぞ」
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「杏ちゃん、お昼の放送行ってくるね」
「うん、わかった。頑張ってねー」
ひらひらと手を振ると、翠は可愛く笑って振り返してきた。
週に一度、私の友達の翠は放送委員の仕事があるから、私は一人屋上の前でお昼を食べている。
翠は歩いているだけで周りの男子が振り返るような美少女で、天パだというふわふわの髪もまるで童話のプリンセスのようだ。
それに比べて私は顔は普通だし、勉強も普通、運動も普通となんの取り柄もないいたって普通の女子高校生。
高校生になるからとばっさりボブにした髪の毛は、裏で男子からこけしなんて呼ばれている。
「んー?ねえねえ、君一人?」
スマホを見ていた顔を上げると、知らない男子生徒二人組と目が合った。
「あれ、なんだ。別に普通じゃん」
「あれーおっかしいな。てっきり美人かと…」
面と向かって「普通」と言われ、言われ慣れているからってさすがに軽く傷つく。
「…おい」
「あ?」
「お、おい、やべぇって。天馬だぞ」