*
もう何度見たかわからない時計をもう一度見上げる。
時刻は午後五時半。珍しく今日はまだ桐ヶ谷くんが生徒会室にやってきていない。
それに今日はやることが少なくてもう仕事も終わってしまったし、あとは帰るだけだ。
待ってても仕方がないし、鞄を持って生徒会室の鍵を職員室に返しに行く。
そのまま靴箱に向かうために廊下を歩いていると、向こう側からあははと大声で笑いながら男女六人組のグループが歩いてきた。
しかもなぜかみんなびしょびしょに濡れている。
「…あ!絵梨先輩!え、もう帰るんですか!?」
知らないサラストの黒髪男子が元気よく話しかけてきて、思わず「誰?」と眉をひそめて言う。
「え、誰って俺っすよ!桐ヶ谷湊人!あーやっぱ髪下ろしてるからわかんないか。今みんなでプール掃除させられて、びしょびしょになったからワックス落ちちゃったんですよー」
「もーこんな冬にプール掃除させられたのも全部桐ヶ谷のせいだからね!桐ヶ谷が遅刻多いから先生に罰としてやるように、って言われたのに近くにいた私たちまで巻き込んで!」
「まあ楽しかったから別にいいけど、湊人くんが途中から水のかけ合いなんて始めるからこんなびっしょびしょになったんだからねー。おかげでワイシャツ透けるし」
「あはは、こいつ狙ってやったんだよ。女子の下着透けさせたくて」
「えー変態ー」
「ち、ちげぇし!先輩の前で変なこと言うなよ!」
仲良さそうな六人を見ていられなくなり、無言で立ち去る。
もう何度見たかわからない時計をもう一度見上げる。
時刻は午後五時半。珍しく今日はまだ桐ヶ谷くんが生徒会室にやってきていない。
それに今日はやることが少なくてもう仕事も終わってしまったし、あとは帰るだけだ。
待ってても仕方がないし、鞄を持って生徒会室の鍵を職員室に返しに行く。
そのまま靴箱に向かうために廊下を歩いていると、向こう側からあははと大声で笑いながら男女六人組のグループが歩いてきた。
しかもなぜかみんなびしょびしょに濡れている。
「…あ!絵梨先輩!え、もう帰るんですか!?」
知らないサラストの黒髪男子が元気よく話しかけてきて、思わず「誰?」と眉をひそめて言う。
「え、誰って俺っすよ!桐ヶ谷湊人!あーやっぱ髪下ろしてるからわかんないか。今みんなでプール掃除させられて、びしょびしょになったからワックス落ちちゃったんですよー」
「もーこんな冬にプール掃除させられたのも全部桐ヶ谷のせいだからね!桐ヶ谷が遅刻多いから先生に罰としてやるように、って言われたのに近くにいた私たちまで巻き込んで!」
「まあ楽しかったから別にいいけど、湊人くんが途中から水のかけ合いなんて始めるからこんなびっしょびしょになったんだからねー。おかげでワイシャツ透けるし」
「あはは、こいつ狙ってやったんだよ。女子の下着透けさせたくて」
「えー変態ー」
「ち、ちげぇし!先輩の前で変なこと言うなよ!」
仲良さそうな六人を見ていられなくなり、無言で立ち去る。