感動で胸がいっぱいになって、思わず泣きそうになっていると、

「音夢ちゃんメイクお願いします」

ヘアメイクさんに声をかけられて、メイクルームへと向かった。

中へ入ろうとした時、ちょうどメイクを終えたらしい皇月先輩とすれ違った。

「あ、皇月先輩、今日もよろしくお願いします」

そう声をかけると、

「ああ。頑張れよ、音夢」

皇月先輩が笑顔を見せてくれて。

久しぶりに見た本物の先輩の笑顔に、ドキドキと心臓の音が大きくなっていく。

「今日はハロウィン特集だから、ゴスロリメイクにするね」

メイクルームに入ると、ヘアメイクさんがそう言って早速メイクを始めた。

鏡に映るわたしは、言葉通りいつもの甘ロリ女子じゃなくてちょっとダークな小悪魔女子へと変身していく。

「衣装はこれね」

メイクを終えると、スタイリストさんから今日の衣装が渡された。

黒で統一されたフリルたっぷりのブラウス、ビスチェ、ロングスカート。