彩香「あ…生徒会長の風間翔太さん!」

さすが、彩香。完璧だ。
私なんて顔も知らなかったよ。

風間「ビンポーン!大正解♪」

名前、覚えててもらって嬉しそうだな。

彩香「でも…なんで美奈が…?」

私と会長を交互に見ながら
不思議そうな顔をする彩香。

そりゃ、イケメン嫌いの私が
こんなファンクラブがありそうなイケメン会長と知り合いだなんて思わないもんね。

彩香にはあとでしっかり事情を話さないと。
変な勘違いされたらたまんないからね。

それはそうと、

美奈「会長、昨日はすみませんでした。」


しっかり謝っとかなきゃ。


私の言葉に


風間「も~、気にしてないよ♪俺と美奈ちゃんの仲だろ?」

と、誤解を招くワードを発する会長。


彩香「え?え?、まさか…!」


美奈「ちがうから。」


彩香の妄想癖なんとかしてくれ。


美奈「今日はもうすっかり元気です。」

忘れかけてたけど、
私、解決しなきゃいけないことがあるんだった。


朝からの平和モードですっかり抜けそうになってたけど。


美奈「改めて、今日の昼休み、いいですか?」


はっきりさせよう。


そして、もうこんな窮屈な生活からおさらばしよう。

風間「りょーかい♪」

そう言っていたずらっぽく笑う会長。


風間「……」

その刹那、ほんの一瞬、
切なそうな目をしていたことに、
わたしは気づくはずもなかった。