学校へ向かう途中、

彩香「…私の知ってる美奈はさぁ、」

不意に彩香が話し始めた。

美奈「?」


彩香「ポーカーフェイスなイメージなんだけど」

美奈「私もそう思ってるけど?」

美奈「最近、気持ちがちゃんと顔に出るようになったよね。」





美奈「そう?私はなんにも変わってないよ。」


彩香「んー…苦しいときはちゃんと苦しそうなら顔してたし、それに今だって…」


彩香「すっごく幸せそう。」


美奈「!」

彩香のその言葉に思わず、立ち止まってしまった。


美奈「え…そんな顔してる?」

私の問いかけに、



彩香「うん!」


にっこりと微笑み頷く彩香。


と、そのとき、



グイッ




美奈「!」



突然彩香が私をひっぱり、


彩香「昨日、相沢くんとなんかあったでしょ。」


全てを見透かしたように耳元で囁いた。


美奈「な、なんかって…」


____俺はお前を…見た目なんかで判断しない!



美奈「…」


思い出すとまた顔が赤くなってしまいそうだ。


あんなうれしいな言葉…
ずっと欲しかった言葉をかけてくれるなんて思ってなかったから。


彩香「やっぱりねぇ。」



私の反応を面白そうに見ている彩香。


美奈「別に、彩香が思ってるようなことがあったわけじゃないから。」

変に誤解されても困るので
捕捉説明を加える。


彩香「ふーん…。まぁいいや!詳しくは放課後、いつものカフェでね!」


美奈「だから話すほどのことなんてなかったってば。」

彩香「楽しみ~」


聞く耳持たず、だ。


まったく、嫌になる。