それからの俺は、本当に自分でも驚くくらいに別人だった。

やろうと思ったこともない実行委員に
自ら進んでなったり、
部活のついで、と見せかけて
彼女に少しでも関わろうと、隙を見ては
積極的に動いたり。

自転車通学なのにもかかわらず、
彼女が徒歩通学としって
自転車に乗るのをやめたり…

もう、自分でもわけがわからないくらい
必死だった。


だけど、そんなかっこ悪い内面を
誰にも知られたくないプライドのせいで

無表情、仏頂面になってしまう。

そのせいか、なかなか彼女は心を開いてくれなかった。


そんなある日。
それは放課後の実行委員会議があった日のことだった。


美奈「ッ…」


山神帝を前にして、
顔を真っ青にして怯える彼女を見たとき、
どうしようもないくらいの怒りの感情が
山神帝に対して湧き出した。


前々からヤツは彼女の周りをうろついていた。
その時点で気にくわないが、
俺はどうこう言える立場でもない。

だから、
ずっと我慢してきた。


だけど、
今回はもう我慢できねぇ。

彼女のことを傷つけるヤツは
絶対に許さない。

そんな気持ちがフツフツと湧き、
気づけば、


相沢「…近づかないでくれますか?先輩。」


先輩の手を払いのけていた。