結局、答えも出ないまま。

だけど、この時の俺は、完全に見落としていた。

彼女が他の男のものになる可能性を。


次の日、 思わぬ光景を目の当たりにしてしまった。


それは、


帝「このクラスのメガネの女子に用があるんだけど。」

学校1イケメンの先輩が、
森永美奈を呼び出している光景。

その光景をみたとき、
俺の中で黒い感情が芽生えた。

男の勘、だが、山神帝は少なくとも彼女に悪い感情は抱いていない。

見てすぐ分かることだ。


…まずい。


心からそう思った。


俺は、まだ彼女となんの関わりもない。
このままじゃ、いつまで経っても関係が深まらない。

それどころか…誰かに先を越される。


こんな初めての感情に、正直戸惑った。


誰かを好きになると、こんなにも余裕がなくなるんだ、と初めて知った。


それくらい、彼女は俺にとって
大切な存在だったんだ。