どこのクラスの子だろう。
そもそも何年生だ?先輩かもしれない。

どんどん湧いてくる疑問。

彼女のことをもっと知りたい、そう思った。

その日を境に俺の生活は変わった。

まず第一に、周りにイライラすることがなくなった。
人はどうしても無意識に人を見かけで判断してしまう、というのを身をもって体験したからだ。

他人のことは割り切れるようになったんだろう。


そしてもう一つは
常に彼女を探していること。

教室移動で廊下を歩く時。
放課後の部活時間中。

とにかく彼女が何年何組なのか、
そればかり気にしていた。


しかし、そんな彼女を探る日々も終わりを告げる。


それは全校集会のこと____


ざわつく体育館の中、
俺はいつものように彼女を探していた。



そして

同学年の2つ隣のクラスに並ぶ彼女を見つけたのだ。


と、その時、



相沢「!」


俺の瞳に飛び込んできたのは
友達に優しく微笑む彼女の姿だった。


それを見た瞬間、俺の心の中で何かが生まれた。

あったかいような、くすぐったいような
よくわからない気持ちが。

その時は素直に彼女が同じ学年であったことを
嬉しく思ったんだ。