それからしばらく彼女は黙ったまま
ただ空を見上げていた。

まるで、涙が溢れてこないように
精一杯背伸びをしているかのようだった。


そして、
ゴシゴシッと濡れた瞼を拭うと、


カチャ…

再びメガネをかけ、

美奈「私は私だ。周りの目なんか気にしない。」

自分自身に言い聞かせるようにそう呟き
屋上を後にした。


俺はいつの間にかそんな彼女から
目が離せなくなっていた。