その様子に、


帝「なんでテメェに指図されなきゃなんねぇんだよ。」


かなり切れ気味の先輩。


相沢「なんでって…」


ギュ…


相沢くんがさらに私を強く引き寄せたかと思うと


相沢「こいつがあんたに怯えてるから。」


鋭い声色でそう言い放った。


…気づいてくれてたんだ…

その気遣いがなぜか堪らなくホッとして


美奈「…ッ」


ポロッ__

我慢していた涙が溢れてきた。


そんな私の背中を優しくさすってくれる相沢くん。


相沢「…大丈夫だから。」


小さく呟いて、


相沢「先輩、見ればわかりますよね。だからもうこいつに近づかないでください。」


もう1度、強くそう言った。


帝「…ッ」

先輩は顔を歪め、舌打ちをしたかと思うと


帝「…会長。俺の席どこだよ。」

風間「…あぁ、そこの左の角の空いてる席だよ。」

帝「…。」


静かに指定された席に座った。


そんな私達のただならぬ様子を、
会議室にいた生徒が黙って見ていた。


沢山の人の前で涙を流してしまったことに
とても後悔したが、
それ以上に相沢くんの優しさに
感謝する気持ちでいっぱいだった。