あいつになんかされたのか?


相沢くんは確かにそういった。

あいつ。それはきっと山神帝のことだ。

相沢くん、なんか怒ってる?ように見える…

よほど正義感が強いんだろう。


だけどいくら親切な相沢くんだとしても
さっきの出来事を話す気にはなれない。


悔しくて、惨めな出来事を。


美奈「あいつ?なんのこと?本当に大丈夫だから。」

負けじと平然を装う。

そんな私を見て相沢くんは

相沢「…ならいい。」

そう呟くと、私の頬から手を離した。


そして、


ポンッ__


頭を優しく撫で、


相沢「…無理はすんなよ。」


そう言い残すと、校門を出て行った。


その言葉に、
涙が流れそうになるのを
必死で堪えた。